会社の書類保管を厳密に行わなければならない理由とその方法
2025.05.02

近年、多くの企業ではペーパーレス化が進められており、書類をやり取りする機会は減ってきています。
しかし、それでも契約書や請求書などの重要書類は紙でのやり取りも多く、厳重に保管しておかなければなりません。
書類の数が増えるほど保管や管理の手間は多くなりますが、安全かつ効率的に保管するためにはどういった方法が有効なのでしょうか。
会社での書類保管を厳密に行わなければならない理由

企業では契約書や請求書など重要な書類を取り扱うことが多く、それらを厳密に保管・管理しておかなければなりません。
そもそも、なぜ手間をかけてまで厳密に保管しなければならないのでしょうか。
法令遵守とコンプライアンスを確保するため
もっとも大きな理由として挙げられるのは、会社法や法人税法、所得税法といった法令を遵守するためです。
たとえば、会社法では取締役会議事録や株主総会議事録、決算書、会計帳簿などを一定期間にわたって保存しておくことが義務付けられており、これに違反した場合、過料や追徴課税などの罰則が科されることがあります。
また、取引先との契約内容を定めた契約書は法的拘束力をもち、万が一トラブルに発展した際に重要な証拠にもなり得ることから、厳密に保管・管理しておかなければなりません。
情報漏えいや紛失のリスクを低減するため
顧客名簿や営業情報が記載された書類、機密性の高い社外秘の情報が記載された書類などを紛失してしまうと、情報漏えいにつながり企業の信頼性を損ないかねません。
信頼を失った企業からは取引先や顧客が離れていき、最悪の場合大幅な業績低下に結びつくこともあるでしょう。
このようなリスクを低減し安定した経営体制を維持するためにも、書類の厳重な保管・管理は基本ともいえます。
災害時のリスク管理のため
地震や台風といった大規模災害が毎年のように発生している昨今、オフィスが被災し重要書類が焼失したり、土砂とともに流失したりといったリスクも考えられます。
デスクの引き出しや簡易的な書類棚、キャビネットなどに保管している企業も多いですが、保管場所を工夫したり複数の事業所に分散しておくなどの工夫を講じることで、災害時のリスクを低減できます。
会社での書類保管方法を最適化するには

書類管理の必要性は理解していても、実際に作業をしてみると効率的な管理方法が分からなかったり整理に時間がかかったりと、さまざまな悩みを抱えることも多いのではないでしょうか。
そこで、効率的な書類保管の方法やポイントをご紹介します。
書類の分類と整理
はじめに、社内で保管されているすべての書類を取り出し、分類したうえで整理しましょう。一口に書類といっても契約書や申込書、請求書、領収証などさまざまなものがあります。
たとえば、契約書や申込書は契約関係書類、請求書や領収証などは会計関係書類としてまとめておくと効率的です。
あるいは、取引先ごとにひとつのファイルにまとめて書類を保管しておくというのもひとつの方法といえるでしょう。
ただし、あらゆる書類を保管しておけば良いというものではなく、たとえば古いカタログやチラシ、保管期限が切れた書類などはルールに基づき処分することも大切です。
書類のデジタル化とデータでの管理
申込書の原本や請求書、領収証などは時間とともに大量の書類が溜まっていき、やがて物理的な保管スペースが足りなくなる可能性もあります。
そこで、書類をデジタル化したうえで原本は廃棄するといった方法も有効です。
たとえば、請求書や見積書、領収書、仕訳帳といった税務関係の書類は、従来であれば7年間保存することが法律によって定められていました。
しかし、電子帳簿保存法が施行されたことで、一定の要件を満たせばスキャン保存後に書類の原本を廃棄することが可能となっています。
社内ルールの整備と共有
社内には重要書類が数多く存在するため、保管すべき書類を誤って廃棄してしまうおそれがあります。
このようなリスクを低減するためには、書類管理に関する明確な社内ルールを設け、全社員に共有しておくことが大切です。
たとえば、「申込書はスキャン保存のうえ原本は廃棄する」「過去のカタログ・パンフレットはスキャン保存し、原本は5部のみ残し廃棄する」などのルールのほか、スキャン保存の手順書も作成しておきましょう。
外部の収納サービスの活用
数千、数万にもおよぶ膨大な書類を保管するとなると、保管スペースの確保が困難であったり、データ化にも多くの手間がかかってしまいます。
そこで、専門業者が提供している収納サービスを活用してみるのもひとつの手といえるでしょう。
書類原本を送付するだけでスキャン保存とデータ化を完結できたり、厳重なセキュリティが確保された倉庫で大量の書類を保管し、不要になった書類は安全に廃棄することも可能です。
会社の書類保管を外部の収納サービスに依頼するメリット

外部の専門業者に書類保管を委託することで、どういったメリットが期待できるのでしょうか。
保管スペースの節約
大量の書類を物理的に保管するとなると、オフィスのスペースが足りず新たに倉庫を借りなければなりません。
また、オフィスの一角に保管スペースを確保した場合、執務スペースが狭くなり労働環境の悪化を招くおそれもあるでしょう。
外部の収納サービスを活用することで、保管スペースの節約につながります。
セキュリティの向上
書類保管は単にスペースを確保すれば良いというわけではなく、特に機密情報や個人情報が含まれる書類の保管にあたってはセキュリティの確保が求められます。
収納サービスを提供している専門業者では、厳重な入退室管理や書類の集配送を行っており、機密情報の漏えいや書類の紛失・盗難のリスクを大幅に低減できます。
業務効率の向上
日々多くの書類をやり取りする企業では、書類の保管・管理だけでも多くの労力を要します。
なかには書類管理やデータ化の作業だけで業務時間の大半を割かなければならないという社員も出てくるでしょう。
外部の収納サービスを活用することで定型的な作業から解放され、その分のリソースを新商品の開発や営業といったコア業務に充てられるようになります。
コストの削減
外部の収納サービスを利用するということは一定のコストがかかりますが、実はそれ以上にコストを削減できる可能性もあります。
たとえば、保管スペースの賃料が不要になることはもちろんですが、書類の保管・管理に割いていた人件費も削減されます。
また、重要書類を保管するためのセキュリティ設備を一から整備するとなると高額な費用がかかってしまいますが、外部の収納サービスを利用すれば設備投資も抑えられます。
災害対策になる
書類の保管場所によっては地震や火災、水害による被害を免れず、災害によって重要な情報が失われるリスクもあります。
外部の収納サービスでは災害リスクも考慮した万全の体制・設備が整っているため、自社で書類を保管しておくよりも安全性を高められます。
また、災害はいつ・どこで発生するか分からないため、複数の保管場所に分散させておくこともリスク管理として有効です。
自社での書類保管と収納サービスを併用することで、重要書類のバックアップにも役立てられるでしょう。
会社の書類保管の方法にお困りならアズコムデータセキュリティまで

重要書類の適切な保管・管理に対応した収納サービスはさまざまなものがありますが、サービスの選定にあたっては万全のセキュリティ環境が整っているかや、災害リスクの低い場所に立地しているかも重要なポイントとなります。
アズコムデータセキュリティの保管サービスは、地盤が強固な埼玉県秩父市に倉庫を構えており、高度なセキュリティ体制のもとで大切な書類を安全に保管・管理しています。
書類以外にもCD/DVDや磁気テープ、図面、カルテ、X線フィルムなどさまざまなメディアに対応しており、保管物は専用のWebシステムでいつでも確認可能なほか、アクセス制限や閲覧権限機能も利用できます。
さらに、保存期間が過ぎ不要になった書類はデータ抹消処理施設で安全に廃棄し、処理後は溶解処理証明書も発行しています。
書類の保管スペースがないとお困りの企業様はもちろん、セキュリティや災害対策に不安があるという企業様にもおすすめのサービスです。
まとめ
書類保管は基本的な業務のひとつですが、適切に管理されていないと法令違反や情報漏えいにつながる可能性があります。
また、災害大国である日本では地震や水害、火災などによって重要書類が滅失するリスクもあるため、より厳重に保管しておかなければなりません。
昨今では法令の改正などにより、書類をデータ化したうえで効率的に管理できるようにもなりました。
ただし、安全に書類を保管・管理するためには、保管スペースの確保やセキュリティ環境も整備しなければならず多額のコストを要します。
このようなお悩みを抱えている企業様は、ぜひアズコムデータセキュリティの保管サービスをご検討ください。